
1980年頃から次々と誕生した磁気カード。CRMの一つとしてのポイントカードをはじめ、導入の簡易さから現在も多種多様な用途に使用されており、リライト機能を持つタイプもあります。非常に厳しい水準の品質要求への対応と効率の良い安定した生産体制が、磁気メディアの普及を支えています。
磁気カード
リピーター顧客の獲得、販売促進に
テレホンカードで全国的に広まったPET製磁気カード。交通向けカード、コンビニエンスストアやガソリンスタンドなどで使用できる共通プリペイドカード、顧客サービスの一環として利用されているポイントカードなどに展開されています。
磁気テープ
セキュリティシステムや機密保持を支える
クレジットカードやキャッシュカード、通帳の裏面に使用されています。
セキュリティシステムや機密保持を支えるカードの利便性を高める一方、処理業務の合理化・省力化にも役立っています。

1980年頃から次々と誕生した磁気カード。テレホンカードは、プリペイド式の磁気カードの代表でした。もちろん今も磁気カードは多彩な用途に使われています。
テレホンカードのような磁気カードをPETカードと呼びます(ちなみに銀行のキャッシュカードなどは磁気ストライプ付きクレジットカードと呼ばれます)。PETとは基材フィルムの材料名であるポリエチレンテレフタレートの略称で、熱や力、薬品に対して強く、適度に柔軟で厚みが均一と、カード基材としてはうってつけの材料です。
磁性材で最もよく使われるのがバリウムフェライトという材料です。直径0.5ミクロンの濃茶色の微粒子の一個一個が磁石となって磁気記録層を形成しており、磁気ヘッドで磁化することによって磁気記録ができます。
この磁性材を塗料にしてPETフィルムにコーティング(塗布)するわけですが、平滑で均一な塗膜を形成することは品質上極めて重要であり、塗布工程は大きなポイントです。しかも塗膜の厚さは1ミクロン以下が要求されることもあり、これだけの精度を常に保つには大変な技術力が要求されます。 コーティングの際は、ロール状のPETフィルムを連続で繰り出しながら、コーターヘッドと呼ばれる塗工部で基材に塗料を塗布し、その後ドライヤーによって塗布膜中の溶剤分を蒸発させて乾燥膜として基材に固定化。巻き取り装置によって再度ロール状にします。
こうして磁気層側のコーティングが完成したロールは、シートカットされて、印刷されます。PETカードの場合、基材は紙と異なって印刷インキが浸透しません。そこで基材にインキを密着、乾燥させるために紫外線硬化型(UV)インキを使用しています。これによって瞬時に乾燥皮膜を形成することが可能です。
印刷後は、シートからカード状に打ち抜く工程、機能検査を行う工程、外観検査を行う工程、仕様に応じて番号を刻印する工程を経て、出荷されます。
このように非常に厳しい水準の品質要求に応えつつ、効率のよい安定した生産を可能にしたことで、磁気カードは一気に普及しました。
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